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テラヘルツ波発生
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テラヘルツ波を発生させるのに、光波を低い周波数に変換する方法や、電子デバイスの高周波数化により発生させる方法
などがとられますが、GaP(ガリウムリン)結晶を用いた方法では、周波数帯域が広く、高出力となることが発見されました。


電磁波を発生させるには、発生させたい振動周波数で電荷(例えば電子)を振動させればよいのです。
つまり、電荷をテラヘルツの周波数で振動させれば、テラヘルツ波を発生させることができます。(言うは易し)
しかし問題は、どうやって電荷をテラヘルツ周波数で振動させるかです。(行うは難し)

我々はこれを差周波発生という方法で実現しています。
波長の異なるふたつの赤外線レーザ光をGaP結晶にあてると、結晶中で2波の干渉が起こり、和周波や差周波の波が
発生します。
これらの干渉波は電波で言えばビート周波数ですし、音波で言えばうなりです。
この干渉波が結晶中のGaとPの原子(イオン)をテラヘルツの周波数でゆすると、これらのイオンが持つ電荷からテラ
ヘルツ波が発生します。
但し、干渉波は必ずしも入射赤外光の進行方向にはなりません。
結晶中できれいなテラヘルツ定在波を立てるために、周波数に応じて方向(角度)を変化させる必要があります。
ただこれは高強度の赤外線レーザー光とテラヘルツ波を分離できることにもなるので、便利な特徴と言えます。

様々な結晶でテラヘルツ波を発生させることができますが、それらの結晶の多くは、赤外線レーザー光やテラヘルツ波
を吸収する性質を持つために、効率よくテラヘルツ波を発生させることができません。
GaPは赤外線レーザー光とテラヘルツ波のいずれに対しても吸収が少ないという性質を持つ、極めて幸運な材料です。

1963年に西澤博士は、テラヘルツ発振の提案を行い、この考えに基づいて1979年には半導体GaP(リン化ガリウム)結晶
を使ったラマンレーザー(格子振動を利用したレーザー)の発振に、世界で初めて成功しました。
更にこれらを用いた差周波発生により12.1THzの単色コヒーレントテラヘルツ波の発生に成功しています。

現在は入射光の周波数を変化させることで、容易にテラヘルツ波の周波数も変化させることができます。
レーザー技術の進歩によって、0.1~7.5 THz の周波数にわたり、数 MHz 程度の精度で単色テラヘルツ波を発生させる
ことができます。
有効桁数が7桁に達するので、いわゆる単精度実数では精度が足りず、測定データは必ず倍精度実数で扱わなければ
なりません。

      



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