国立大学附置研究所・センター会議 第一部会シンポジウム

光医工

〜 命を護る先端科学 〜


シンポジウム概要

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本シンポジウムは、「国立大学附置研究所・センター会議」に所属する研究所・研究センターの研究内容を中心に、その意義や成果を広報する目的で、年1回、部会ごとに行われています。本年度は新型コロナの影響により例年と異なり、第二、第三部会との合同シンポジウムという形でオンデマンドによる開催となりました。第一部会では、「光医工-命を護る先端科学」と題して、光工学と医学の融合による新しい先端科学、およびその関連分野に関して、当該分野を先導する先生方にご講演をいただき、これを配信することとしました。
第一部会シンポジウム座長 小野行徳

講演ダイジェスト版

     
     

国立大学附置研究所・センター会議とは
「国立大学附置研究所・センター会議」は、30の国立大学で100の研究所、研究センターで構成され、3つの部会からなり、このうち理工系中心の第一部会は、53の研究所・センターで構成されています。
http://shochou-kaigi.org/section/center1/

シンポジウム講演一覧

*それぞれの講演を視聴いただくには、題名の左のサムネイルをクリックしてください。


大学における附置研究所と研究
木村 雅和

静岡大学理事(研究・社会産学連携担当)/ 副学長

講演1:
光の色と模様から生体情報を得る
香川 景一郎

静岡大学電子工学研究所 教授
概要:ヒトの体はヘモグロビン,メラニンなどの生体色素による吸収に加え,細胞や微小器官などの散乱により複雑に色づいている.ヘモグロビンは酸素を運ぶ重要なたんぱく質であるが,この濃度を正確に捉えるには,吸収と散乱の寄与を分離して吸収の大きさだけを正確に測ることが求められる.本講演では,ヒトの体が色づく原理を説明した後,均一光と縞模様を体に投影してその(振幅)反射率から散乱と吸収を定量計測する空間周波数イメージング(SFDI)について説明する.また,生体計測に適したマルチタップCMOSイメージセンサ,多眼カメラといった最新のカメラ技術を紹介する.

講演2:
医療情報nexusに向けた複雑系AIの構築と、AI/IT技術を駆使したCOVID19対策としての新しい生活様式について
中島 義和

東京医科歯科大学生体材料工学研究所 教授
医療は社会インフラとして、自然災害やパンデミックなどのアウトブレイクに対して状況に応じて有機的に体制を適合させていく柔軟さと強靭さを備え、かつ平常時においても経済合理性、社会的包摂性ならびに環境持続性を満たす体制を確立せねばならない。そのためには、多種多様性、多面性、空間内分布不均一性ならびに相互作用を伴う事項を包括的に処理し、医療体制やリソースの再配置などに迅速に対応しなければならない。我々は、これら複雑系のデータやプロセスに対応できるAIシステムを開発した。異なる種類のAIシステムの自律自動ネットワーキングを確立し、医療のAI化、IoT化について検討した。さらに、それらをアウトブレイク時の複雑系シミュレーション、ならびにナラティブ医療へ適用すべく検討を始めたので紹介する。

講演3:
PET(Positron Emission Tomography)の原理と応用
吉川 悦次

浜松ホトニクス株式会社 中央研究所 PET医用グループ長
PET(ポジトロン断層撮影法)は、ポジトロン(陽電子)を放出する物質で標識した薬剤を注射等により体内に取り入れ、そこから発生するガンマ線の分布を画像化します。生体で必要とされる、ブドウ糖、酸素、水、神経伝達物質などにポジトロン核種を標識した薬剤を体内に取り込むと、その薬剤の特徴にあった集積や代謝が生じ、そこから発生したガンマ線を光技術により捉えることで生体機能の情報を画像化することができます。

講演4:
光を用いたヒト生体機能イメージング
星 詳子

浜松医科大学光尖端医学教育研究センター 教授
近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)は非破壊計測技術で、ヒトに対しては組織酸素モニタならびに脳機能イメージングに活用されています。海外では、COVID-19に合併する血管障害の研究にもNIRSが注目されています。また、ヒトを対象とするNIRSの中で最も高度な技術である拡散光トモグラフィ(DOT)は、光イメージングによる機能診断を可能にすると期待されています。本シンポジウムでは、NIRSとDOTの概要と展望について解説します。


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